糖尿病治療中の野菜摂取を“野菜ジュースで補う”は正しいのか?

糖尿病治療中の野菜摂取を“野菜ジュースで補う”は正しいのか?

糖尿病治療中の野菜摂取を“野菜ジュースで補う”は正しいのか?

 

 

糖尿病と診断されると、“野菜をたくさん食べましょう”とよく言われるようになると思います。

 

これは糖尿病の改善や悪化予防において、特に野菜に多く含まれるビタミンやミネラルといった栄養素を積極的に取る必要があることや、野菜などに含まれる水溶性食物繊維にある“栄養の吸収を悪くする働き”を上手く利用するためとなっています。

 

 

〇1日の野菜の目標摂取量は350g!3食に分けてバランス良く食べよう

 

このような野菜の効能を糖尿病治療に役立てるために、糖尿病患者の食事療法では毎日350gの野菜を摂取目標にするよう設定されています。

 

この350gという量は、生野菜なら両手に軽く山盛り1杯分程と言われています。

 

さらに、糖尿病の食事療法としての野菜摂取目標では、緑黄色野菜は120g、淡色野菜、きのこ、海藻など合わせて230gが目安となっています。

 

これは、3食の食事の際には緑黄色野菜を40g、淡色野菜・きのこ・海藻類を約80gずつ、毎食約120gの野菜を食べる必要があるという計算になるので、まずはこの120gを確実に取れるような献立を意識することが大切ですね。

 

ちなみに、水溶性食物繊維を意識して「めかぶ1パック」を食べるとすると、これですでに“緑黄色野菜以外の野菜50g”がクリアとなります。

 

カロリーに換算すると6kcalになるので80kcalを意識するとほとんど足しにはなりませんが、水溶性食物繊維の効果を期待するためには手軽なので積極的に食べたい食材であると言えるかと思います。

 

「生野菜のサラダを120g」と言われると、量も多くなってしまうので毎食食べるのは難しそうな印象を持ってしまいがちですが、サラダ、お浸し、和え物、煮物、スープなどどのような形でもいいのでとにかく毎日350g食べることを心掛けてみることから始めていきたいところですね。

 

 

〇野菜も冷凍保存を上手く活用して効率的な栄養摂取を目指そう!

 

このように、毎日継続的に野菜を食べることが推奨されている食事療法ですが、実際に野菜をスーパーで買おうとすると、量が多かったりしますし特に葉物などは傷む前に食べきれなかったりするので敬遠しがちになってしまいますよね。

 

そんなときは、冷凍保存を上手く活用することで長期保存が可能になったり、一度にまとめて調理をしておいてストックをしておくと、普段の忙しい日なども手軽に野菜を食べることができます。

 

特に葉物は、茹でることでビタミンCが水に溶けだしてしまうことが知られているのですが、冷凍保存だと生の状態で冷凍しておくこともできますし、次回料理に使うときには解凍させるだけで茹でずにそのまま使えるので、栄養素も壊れず効率的に食べれるといったメリットもあるのです。

 

この際注意が必要なのは、野菜は“少しでも早く冷凍させる”ことがコツということです。

 

食材を冷凍させる際には、凍るまでに時間がかかってしまう程栄養素が壊れたり、風味が落ちてしまうと言われているためです。

 

ですが、野菜のなかにはあえて冷凍させてから食べることで栄養素やうまみが増したり、煮物やお浸しなどの料理がうまく仕上がるための下ごしらえになったりするものもあるということですので、色々な食材の冷凍方法やコツなどがまとめられた本を1冊持っていると、大変便利だと思います。

 

 

〇野菜ジュースで目標摂取量は補えるの?!実は危険な落とし穴が…

 

最近では共働き世帯も増加していますし、晩婚化も進んでいるので糖尿病の発症が多い中高年の年代でも、毎日忙しくきっちりとした食事管理ができない、独身のため自分で食事管理をしなければいけないといった方も少なくないのではないかと思います。

 

そしてそのような方の中には、野菜摂取の必要性は理解しているけど手間がかかるのでせめて「野菜ジュース」でカバーを…と飲用している方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

しかし野菜ジュースには、糖尿病を発症されている方には特に注意が必要な落とし穴があるのでご紹介します。

 

 

〇市販の野菜ジュースには本来摂取したい栄養素がない?!

 

まず一つめの落とし穴は、“たくさんの野菜を使用した”ジュースであったとしても、その加工の過程のなかで野菜が持つ栄養素が少なからず失われているということです。

 

これは、市販の野菜ジュースが繊維を濾して作られているため、野菜を取る目的の一つである食物繊維がそぎ落とされることになっています。

 

また、一般的に市販されている野菜ジュースは製造工程で加熱されているため、熱に弱いビタミンなどが壊れてしまっているのです。

 

ですが、この落とし穴を補う方法の一つとして「自宅でジュースを作る」という方法は有効です。

 

自宅でジュースを作る際にはミキサーやジューサーを使うと思うのですが、この際に自分で加熱したり濾したりしないかぎりは素材の栄養素をそのまま取ることができるためです。

 

 

 

 

〇“いつの間にか太り”の原因に!?果糖の取り過ぎには要注意

 

そしてもう一つの落とし穴は、市販の商品で果物と一緒になっているものには“果糖”がたくさん含まれているという点です。

 

果糖は、血糖値を著しく上昇させたりすることはないのですが、その代わりに脂肪として体に蓄積されやすいという特徴を持っています。

 

このため、普段の食生活で肥満を予防しようと一生懸命努力していたとしても、結局は野菜ジュースから果糖をたくさん摂取してしまい、いつの間にか「太っていた!どうして?!」という悲劇になりかねませんので、注意したいところです。

 

また市販の野菜ジュースについては、果糖以外にも甘味や塩分が添加されている商品もあるので注意が必要です。

 

その点、自宅で手作りする場合には果物を使い過ぎないよう注意したり、甘味を自分で調整することもできるので、どうしても野菜ジュースを飲むならばやはり手作りの方が良いといえるでしょう。

 

ですが、やはり野菜ジュースは“野菜替わりにはならない”ということは理解しておく必要があります。

 

このため、野菜ジュースは「主な野菜の摂取方法」としてではなく、どうしても野菜が不足してしまったときや、夕食が夜遅くなってしまったとき、食欲が無く胃を休めたい時だけの「代用品」として利用するというように、生活の中に上手に取り入れていくと良いのではないかと思います。